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丘の上
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「ここ…」
着いたところは町外れにある小さな丘の上。
「見ろ」
その丘からは町が見渡せた。日が傾き始めていて、散歩に来た人達もいた。
「ここさ、よく来たよね」
小学生の時に見つけた場所。何人かのグループで、秘密の場所にして、待ち合わせ場所にも使った。もう会うことはほとんどなく、たまに電話するような友達だが、この場所が大好きだった。
「玲、さ」
なんとなくで口を開いた。
「僕達が中学卒業の時、この場所を教えて、ここで今みたいに話したの覚えてる?」
風が結構吹いていて、口が少し乾燥した。
「すごくくだらない話してさ」
「覚えてるよ。帰りに冷えて慌てて帰ったやつだろ」
「それそれ」
夜に星見てから帰る、って僕が言い張ってゲームとかしてたのに、僕が寒くなって見ないで帰ってきた。
「結局、それで裕樹は風邪をひいて卒業パーティー出れなかっただろ」
「うん。だから今日再チャレンジしようよ」
前と随分変わった町を見て、前と変わった玲を見て。
「もう、そんなに弱くないからさ」
玲は、玲がここで僕に行ったことを覚えてるだろうか。
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