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指切り
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「なあなあ!すっげえ良いとこ見つけたんだ!星がすげえとこ!」
卒業式前日。友達から声をかけられた。
「明日卒業式終わったらみんなで行かねえ?」
みんなと言っても、仲良くしてる5人くらいで。
卒業式が終わって、丘の上に行った。みんなで町を見て感動して、今までの話をして泣きあった。他の誰もいない丘の上でゲームしたり、駄弁ったり。
「みんな高校バラバラだけど、ここを集合場所としてさ!また会おうよ!」
みんなで賛成した。またそれで泣き出した。互いにからかいながら笑い合って、夜を待った。
けれどまだ春だ。夕方には寒くて、ついに耐えきれなくなって解散した。
帰りに玲と一緒にコンビニに寄って話していた。
「ねえ、玲は好きな人とかいないの?今日告白されまくってたじゃん」
「全部断った」
「うわ、モテる人の言うこと…」
「お前は」
「今はいないかなぁ…あっ」
本当、それは思いつきだった。
「将来好きな人できたら報告し合おうよ。今15歳だからー…5、6年後…くらい?にしよう。あの丘の上でさ」
「くだらない」
「わかってるけどさ」
「もし、互いにいなかったら?」
「うーん…シェアハウスでもする?」
ふざけ半分の約束事。わざわざ指切りまでもした。
その約束を忘れてはいなかった。だから、玲も、覚えていてくれてるかな…って。
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