アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嫌い?
-
「…っっばかぁ」
怒鳴るつもりだったのに、出てきた声は弱かった。笑った玲を見て馬鹿にされたと気づいた。
「大丈夫だよ。好きな人は裕樹だから」
それを聞いてまたボロボロと涙が出てきて、玲に抱きついた。
「ひっく…ぅえ…うそつきぃっ」
「はいはい」
「玲の、そういうと、こ嫌い…」
泣いているから途切れ途切れに言葉をつなげる。
「嫌い?」
「嫌いじゃな……」
悲しそうに言うから顔を見れば、にやにやと笑っていた。
「っ!嫌い!」
「じゃあ付き合わない?」
「付き合う!」
そう返せば、玲は声を殺して腹を抱えて笑い出した。
「はい…じゃあ、改めてよろしく?」
「…よろしく」
玲がこんなにも嬉しそうなのを初めて見た。あんまり笑わない玲が、挨拶を交わした後、目を合わせて笑ってくれて、笑顔を返した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
169 / 205