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あんな人
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「もー、なんで殴るのさー」
のそのそとリビングに入ってきた。そう言いながらもその顔は笑顔だ。
「信乃さんって信用ならない」
「あ、最初俺もそー思った!」
「ちょ、ひどい」
本当のことだ。そう思ってため息を吐き、無視。無視しててもひたすらに話してる。
こういう人、苦手。
「あ、洗濯物干してきまーす」
「いってらーっ」
そんなやりとりを見ながらテレビのリモコンを弄る。
「亮太」
「ん?」
台所で鼻歌を歌っていた亮太は顔を上げずに、耳だけ傾けながら返事をした。
「なんであんな人と?」
「祐樹って容赦ないな…」
「うん。ごめ」
ウッドデッキに繋がっている窓を見れば、洗濯物を干す信乃さんが見えた。
「なんでだろー…」
「わかんないの?」
首を傾げたり、頬を膨らましたりして悩んでいる姿が、運動系の亮太に少し似合わなかった。
「うーん…じゃあ懐かしい思い出話でもしますか?」
「長くしないでよ」
「了解!」
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