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香水
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「あ、ごめん」
昼休みの終わりらへん。教室に戻る時、強い女の人の香水の匂いをさせた人とぶつかって、今日最悪だと思った。
「いや、こっちこそすいません」
振り返ってその人を見た瞬間。
あ、こいつ嫌い。
って思った。
「ほんとごめんねー」
イラっとする話し方とその顔。
「気にしないで良いっすよー…」
そう言って通りすがろうとすれば
「いやいや、ぶつかっちゃったのこっちだしジュースおごってあげよーか?」
かちん、ときた。
「友達待たせてるんでさよなら」
「ちょ、まって」
制止の声なんて知らない。
あの顔、同じ学年じゃないと思うから、もう関わらないように気をつけよう。
教室にもどれば祐樹がいた。
「亮太、今日遅めだね?」
いつも時間ぴったりくらいに帰ってくる俺を不思議に思ったんだろう。
「くさいやつに捕まってた」
イライラしながら、祐樹の前の後ろの自分の席に座る。
「また女?」
「男。絡まれたのか絡んだのか知らんけど」
「ふーん。おつかれ」
「ほんと最悪」
授業のチャイムがなったから祐樹が前を向く。
ため息をついて、机に突っ伏した。授業なんて聞く気がおきなかった。
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