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言えない
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しぶしぶ店から出ると、外は少しひんやりとした風が吹いていた。飲み屋街のここはまだにぎやかで明るい。サラリーマンがふらふらと歩いていく中をかきわけながら駅に向かって、電車は反対方向だからすぐに亮太と別れた。
最後にしっかりといちゃつけって言われたけど。
電車に揺られながら考えてるうちに酔いがさめてきて最寄りについた時にはどうすればいいのかわからなかった。
玲は今日も疲れてるだろうし甘えていいのかわからない。
不安なまま家に向かい、気がつけば部屋の前だった。
ここまできて止まってるのも不審者だなと思って、どうにでもなれとドアを開ける。
「…ただいま」
「おかえり」
「……」
たまたますぐ前に玲がいて、固まった。
「どうした?」
「いや、なんでも、ない」
「楽しかった?」
「あ、うん」
それを聞いてうなづいてリビングに戻る玲。
あーもう。無理かも。涙出てきちゃう。以心伝心とかいう便利機能ないのかな。
本当に涙出そうになってぐっとこらえる。
「れい…」
一言吐いてリビングに向かった。
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