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セフレ
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ああ、これだ。
これだけは聞きたくなかったんだ。
「せ、ふれ」
「え?」
「あ、なんでも、ない…っ、んで?」
わからないように誤魔化す。
この話は、とてつもなく、傷になる。
深くて、治せないような。
「なんかのタイミング。うーんとっ、ちょっと待って」
「うん…?」
廊下に出て行く。
人がいなくなったことに安堵、したのかも。
大きく息を吐く。
いろいろなものが、頭でぐるぐるして、少し気持ち悪い。
モヤモヤ、してる。
渦巻いて、土砂崩れのように崩れる。
僕の馬鹿な頭じゃ、難しい。
「ごーめんよーん。よいこらせっ…えーっとぉ………あ、これ。これ見て」
「カレンダー?」
「うん。ほら、ダイアリーの最初についてるやつ。それ。緑で丸書いてある日、あるでしょ?」
「うん」
「気づくこと、ないかな」
気づくこと…?緑の丸…。
「この緑?」
1月…第3週土曜……2月第3週土曜。
3月…………第3週の土曜。
「規則、性…」
「そう、それそれ。この緑ね、彼が出かける場所を教えてくれなかった時。普段は余計な程教えてくるんだ」
「教えなかっ、た…」
つまり、知らせたくなかった…
知られたくない、こと。
「僕も…規則的にいなかった…用事って言われて…」
不安。それしかない。
「これから、連絡とれるようにしない?それで、いついなくなるか調べて、後を追う。んで、僕は、それでこれからを決める」
悪くはないと思う。
何より、本当のことを知れる。
…でも、知ったら?
「でも……」
やっぱり、自信がない。
「…はぁ……」
ため息?
なんか悪いことしたかな…
急に立ち上がる。
え、何、急に。
「いいか!今日から、僕たち友達?互いの幸せを願うのっ!だからっ、ほんとのこと!知って!……はっきりさせたくない?」
最後の最後で折れてしまう。
僕は、その言葉に、信頼できると思えた。
「わかった。うん。いつかは、向けないとだしね。よろしく、美波くん」
「美波ってよんで!」
「じゃあ、僕のことも祐樹って呼んでよ、美波」
「らっじゃー」
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