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夢の終わり
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『あなたは、誰……? お兄さん……?』
問いかけると、その人はやっぱり悲しそうな顔をした。
よく見ると口を動かしている。
何かを言っているのに、声が聞こえない。
『聞こえないか』
うさぎさんの質問に頷く。
『まぁ、聞こえなくても良いさ。今はな。……どうやら、目覚める時間らしいな』
うさぎさんの耳がぴょこんと動く。
目覚める時間……あぁ、そうか。これは夢なんだ。
夢はいつか、覚めるもの。
『また、会える?』
『さぁなぁ。お前が望めば、会えるかもな?』
視界が白く飲まれていく。
幸せな夢は、そろそろ終わりのようだ。
今思えば、お兄さんと過ごしたあの時間は全部夢だったのかもしれない。
あたたかくて、幸せで。
本当に、夢の中のようだった。
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