アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
意地悪しないで
-
side 真白
夢を見た。
あたたかな光に満ちた、知らない場所。
『よぉ、また来たのか』
突然声を掛けられ、ビックリして飛び上がりそうになってしまった。
声のした方を振り返ると、うさぎのぬいぐるみを持った男の人が座っていた。
その男の人が声を掛けてきたのかと思ったけど、どうやら違うらしい。
声を掛けてきたのは、男の人が持っているうさぎの方だった。
「すごい、うさぎさんが喋ってる……」
『は? 何言って……あぁ、お前忘れちまったのか』
「え?」
うさぎさんが僕の足元に来る。
忘れた……って、何を?
そういえば、病院で会ったお兄さんも同じことを言っていたような気がする。
『忘れちまったのなら仕方ねぇな。……まぁ、その方がお前にとっちゃ良いのかもしれないが』
「ねぇ、君と同じことを言っている人が他にもいたよ。僕が忘れてることって何……?」
うさぎさんは答えてくれない。
忘れてるって何だよ……僕はお父さんの所にずっといたんだから、忘れるも何も……。
「……意地悪しないで……教えてよ……」
うさぎさんはやっぱり、何も答えてくれなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 48