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「親がさ、こんな見た目だから心配して、小さい頃から色々やらされたんだ。まあ今の所、それを発揮する様な出来事なんて起こって無いんだけど」
なるほど、それなら分かりすぎるほどの納得だ。
成瀬の人柄から想像するに、きっといい親御さんなんだろう。
「ああでも、今こうやって三秋くんを守れてるんだから、やっぱり格闘技やってて良かったね」
「そうだな…じゃない」
危ない危ない
あまりにも自然に照れるような事を言うから、うっかり頷いてしまいそうになった。
慌てて否定するがまた笑われてしまう。
女子なら一瞬で好きになってしまうだろう振る舞いに、また自分のペースを見失いそうになって俯いた。
寺野といい成瀬といい、最近はこんなのが普通になってるのか?
天然タラシとはこれの事だろう。
なんて思うも、楽しそうに“照れてるの?”なんて聞かれると確信犯だとしか言いようがない。
「女なら照れていたかもな」
俺で遊ぶな、という思いを込めて悪戯に笑ってやると、女の子を本気にさせるような事は出来ないよと返された。
成瀬になら遊ばれたって女子も大喜びだろうに。
全く顔がいい奴はとことん嫌味だ。
大変なんだな、と呟く俺に“思ってないでしょ”と拗ねたような仕草を見せるので、思わず笑ってしまった。
なんだかこの時間が、楽しいかもしれない。
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