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それでも成瀬は自分を責めるのだろう。
あまり見せない、余裕の無い表情で曖昧に笑った。
「僕があの時黙っていれば、三秋くんが南河君の事で悩む必要なんて無かったかも知れない。だから少しでも気が紛れる様にと思ってるんだけど…」
「成瀬…」
そうか。
今日半ば強引に昼食に誘ったのは、責任感から来た気遣いだったんだな。
思い返せば、成瀬はよく声を掛けてくれていた。
登下校中は勿論、会話が途切れた事だって無いし、廊下ですれ違う時や目が合った時、南河の事を考えてしまっている時だって…。
だから俺は、成瀬といると居心地が良かったんだ。
「そんな事、思いもしなかった。信じられないかも知れないが、成瀬には助けられてばかりで、それが迷惑だなんて思った事は一度も無い」
「あはは、本当?嬉しいよ」
少し疑う様な言い方をするが、表情は心なしか和らいでいる。
全く、相手にこんなに気を遣わせてしまう自分が忌まわしい。
そんな考えをさせてしまう自分の態度が悪いんだと心内で謝り、成瀬には感謝の気持ちだけを伝えた。
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