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教室に戻ると既に教師が教卓に立っていて、そう言えば数学の教師は時間より幾らか早く来るんだった、と間に合った事に安堵した。
生徒達が少し、休み時間のざわめきを残しながら席に着く中、ふと寺野と目が合う。
また心配してくれて居るんだろう事を悟り、何も問題ないと知らせる為に少し笑って見せると、相手も柔らかく頷いた。
そのまま席につくと、授業が始まる直前に携帯が短く震える。
俺にメールを送ってくる人など一人しか居ない。
少し気分が落ちながらも机の下で確認する。
『今日は早く着くから、用意してろよ。』
当たり前のように冷たく、簡単に纏められた文が表示されていた。
今日はって、最近ずっとじゃないか
と心の中だけで悪態をつく。
何となく返事を返す気になれなくて、そのまま本鈴が鳴るのを待った。
授業内容は前回の復習。
本当は聞かなくてもいいような内容だが、ぼーっとした所でろくな事を考えないせいで真面目に取り組むしか無かった。
しかし無意識に集中を欠いてしまっていたようで
教室がやけに騒がしくなり、あちらこちらで椅子を引く音がしてやっとはっとする。
黒板の上にある時計はいつも通りゆったりと時間を刻んでいたはずなのに、知らない内に放課後になっていたようだ。
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