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「とぼけるな。お前のせいで俺はゲイで遊び人って事になってるんだぞ」
「げっ…!?」
ちょっと待て、何でそれが俺の責任になるんだ。
ていうか、本当に委員長って…そうなのか?
そりゃ初めて喋った時はキスマーク付けてたし、なんて言うかこいつって女と居るより男との方が想像出来るっていうか。
だって、女と遊ぶなんてしなさそうだし、実際本人もそう言っていたしもしかしたら
とか馬鹿みたいな期待をしてた事も正直な所あったけど…。
て、あれ?
「…おい、その噂って事実なのか?」
恐る恐る聞く俺にまだとぼけるか、と言うような顔をした委員長がふん、と鼻を鳴らす。
「そんな訳無いだろ。お前がそう言ってるのを見たって奴が居るんだよ」
諦めて白々しい演技は止めろ、と牽制する目が少し…本当に少しだけ落胆した様な色を含んでいてざっと血の気が引いた。
……言った。
確かに言ったんだ。
寺野と木乃の呆けた顔と、少し肌寒かった屋上を思い出す。
委員長の反応が気に入らなくて、寺野にムカついて、煙草が不味くて…。
“あいつ、金曜の夜、女と遊んで酔ってたんだよ”
“この事は黙っててくれって言われたんだけどな”
過去の自分が言い放った悪辣な言葉が頭に響く。
同時にそれを否定した寺野の態度と、やっぱりぽかんと口を開けている木乃の姿。
“じゃあ、男かも知れないな”
“キスマーク付けてたし、男とヤッてたんじゃねぇ?”
あいつは誰も知らない所じゃ、汚ねえ男と仲良くやってる…。
乾いた唇で小さく台詞をなぞった。
出たのは到底声にならないような微かな息だけだ。
妙に言い慣れたような感覚が襲って、それが確かに言ったのは俺だという事を裏付けているようで頭が痛くなった。
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