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「入学してしばらくした時、委員長に名前読み間違えられたんだよ。俺の名前、“勝つ”って書いてショウって読むだろ」
「あー、よくマサルって言われるもんね」
木乃が何度も相槌を打つ。
「で、訂正したら、俺もよく間違えられるんだって、謝ってきたんだ。漢字が京都の京で、“キョウ”って言われるって」
寺野が宙で京という字を書いて見せる。
俺から見て反対になっているが、説明で簡単に分かった。
「そう言えば、勝が委員長と話してるところ、ちょくちょく見るかも…」
銀の髪を揺らし、記憶をたどる様に顎に手を当て呟く木乃に寺野が一度頷く。
「うん。京君、意外と人なつこいんだよ」
普段表情を変えない寺野が、少しだけ笑って見せた。
「あの委員長が!?俺も話して見ようかな〜」
木乃は相変わらず笑顔だが、俺は今も口を開けたままだ。
何だそれ。
胸の中にモヤモヤしたものが広がっていく。
それは抑える暇もないまま、言葉となって出てしまった。
「じゃあ、いい事教えてやるよ」
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