アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「京君は、何だよ」
催促する様に睨むと、寺野は何かを飲み込んだ後にするようにはっと息を吐いた。
「暁仁は、京君がそんな事する奴に見えるのか?」
「ああ、普段真面目な奴ほど裏じゃ何やってるか分かんないもんだろ。あいつは誰も知らない所じゃ、汚ねえ男と仲良くやってんだ」
本当はこんな事が言いたいんじゃない。
委員長が裏で何をやっていようが、やってなかろうが、あの瞳に、あの姿に欲情した事だけが重要なんだ。
俺だけが知っている。お前じゃない。
「そうか」
寺野がポツリとそれだけ言って立ち上がる。
子供が我が儘を言い、地団駄を踏み、罵倒したにも関わらず全てを受け入れた様に頷く親の声に似ていた。
俺のために、もしかしたら委員長のために頷き、全てをわかっているという大人の顔をする寺野に激しく苛立った。
そのまま屋上の出口に向う寺野を、木乃が慌てて追いかける。
二人の並ぶ姿を見て、そう言えば、平均を優に超える高身長の寺野と、内面の幼さに見合った身長を持つ木乃は、そこまでもが正反対だ。
と、この場に合わない今更のような、どうでもいい考えが浮かんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 102