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1 密かな脆弱 京side
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南河が学校に来た丁度その日あたりから、俺は不良に目を付けられていた。
多分、南河が言いふらしたのだろう。
俺と初めて話した夜の事を。
寺野は何も言わないが、タイミング的に考えるとそれしか無い。
先週の帰りには、ガラの悪い奴らに絡まれている所を寺野に助けてもらった。
大方、普段威張ってる癖に自分は酒飲んで遊んでるのかよ、とかいう感じだろうが、焦る必要はない。
今までに素行の悪い奴らに目をつけられる事なんて、数え切れない程あった。
こういう生き方をしていると自然とそうゆう奴らを敵に回す事になるようで、絡まれるのには慣れている。
だから心配はいらないと寺野に言うと、「もっと自分を大切にしろ」とか何とか説教をされ、その日から帰りはわざわざ家まで送ってくれていた。
何度断っても帰りは一緒だった。
何でも、そういう奴らにも刃向かっていく態度が更に相手を煽る事になってしまうらしい。
自分ではそんなつもりは全く無いが、寺野曰く「危なっかしい」。
いつも俺より俺の事を気にかけてくれている寺野に申し訳ない気持ちで一杯だが、嬉しさや感謝の気持ちも確かにあった。
────だから言えないんだ、
「京君、金曜日大丈夫だった?」
金曜の夜、こんな状況に突き落とした張本人の家に泊まっていたなんて……
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