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2 密かな脆弱
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鈍い頭の痛みに耐えながら、今日一日の行動を順に追っていく。
何事も無く進んでいた一日は、寺野と木乃が話している隙に勝手に帰路についた所で一変した。
今から考えても、間違った所はそれだけだ。
「三秋(ミアキ)だっけ?お前、何時もうざいんだよね」
下品な髪の色をした見知らぬ男が言う。
関わった事も無いのに“何時もうざい”って何だ。
無駄に背が高い目の前の人物を睨むように顔を上げると、さっき何かで打たれた後頭部がズキリと痛んだ。
それでも自分の置かれた状況を何とか確認しようと、視線だけで周りを観察する。
うざいと言い放った男の他に、体格のいい男二人が俺を囲むように立っていた。
辺りにはボロボロのボールやマットが散乱している。
…裏門近くにこんな倉庫あったっけな。
「何だよその目」
俺の態度が気に食わないらしい男が、髪を掴んで無理に引っ張った。
「お前達に何かした記憶は無いんだが」
痛みに顔をしかめてしまうが、直ぐに無表情を繕う。
こう言う奴らは、反応すればする程調子に乗るからな。
「ははっ、そんな事言っていいのかよ委員長」
俺の声を聞いた後ろにいる二人の内の一人が、楽しそうに笑っている。
委員長って…そりゃクラスの皆にはそう呼ばれて居るが、自分のクラスにも委員長は居るだろうに。
いや、もしかして同じクラスなのか?
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