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「怖がらないで、もう大丈夫だから」
人形のように整った顔立ちをした男が、驚いて警戒心を隠そうともしない俺の背中を優しく撫でる。
手首を拘束していたネクタイが解かれた所でやっと安心が出来た。
考える余裕が出来て直ぐ、さっき助けを呼んでくれた声の持ち主だと気が付く。
「あの…先生は…?」
「ああ、あれは嘘。こんな所先生だって通らないし、僕が気付いて本当に良かったよ」
落ち着かせる様な声で微笑まれると、その顔立ちに目が離せなくなる。
長い睫毛に通った鼻筋。
そこら辺の女より綺麗だが、男らしさも十分にあった。
間近で見ても悪い所が一つも見つからない。
誰にも気付かれなかったら、今頃どうなって居たんだろう。
心配そうに覗き込んで来る男の顔を見ていると、体に全く力が入らなくなってしまった。
「あっ…」
まずいと思った時にはもう、涙が溢れていた。
最悪だ。
男に簡単に組み敷かれて、襲われそうになって…挙句の果てに泣くなんて。
羞恥心や憎悪や悔しさ、色々なものが綯交ぜになって抑えが効かない。
それでも自分の弱さを見せたくなくて、涙を隠すように俯いた。
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