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「…やっぱり、裏門開いてないね」
「え?」
しかし待っていたのはそんな軽い言葉で、思わず顔が上がる。
寺野の視線の先を見ると確かにしっかり施錠された門があって、ああ、うん…という気の抜けた声を出してしまった。
確かにそうだけど…身構えていた分拍子抜けだ。
「ここから帰ろうとしたんでしょ?」
「え、と…そうだ。普段使わないから、閉まってること忘れてた」
怒ってないのか?
さっきより落ち着いた声色に、自分も出来るだけ自然になる様に応える。
少し冷静になってみると、いつの間にここまで来たんだろうというどうでもいい考えが浮かんだ。
裏門はやっぱり薄暗くて、自分と寺野以外見当たらない。
「ここ、誰も居ないでしょ」
「ええと、うん…そうだな」
「だけどよく、馬鹿みたいな奴らがたむろしてるよ」
「あ…そうなのか。確かに、そんな雰囲気は────!?」
何でもないような会話の途中、前触れもなく腕を引かれ、そのまま門の方へ押しつけられた。
いや、叩き付けられたって方が正しいかもしれないくらい、力強い。
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