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3 密かな脆弱
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次の日、昨日待ちくたびれた木乃は仕方なく一人で帰ったらしく、登校するや否や寺野と二人して怒られてしまった。
怒ると言ってもなんだか可愛らしいもので、奢ると言っていたケーキにプリンも付けろとか何とか言って、わざとらしく頬を膨らませたりしていた。
俺も何か買った方がいいかな?
後で木乃の好きなものを聞いておこう
「朝は大丈夫みたいだね」
木乃と話が一段落したらしい寺野がこちらを向く。
「うん、流石に登校時間じゃ人の目を避けられないし」
申し訳なさに苦笑しか出来ない。
昨日の事でかなり心配を掛けさせてしまっているようで、こうやって朝の確認までしてくるくらいだ。
だけどもうその親切を押し退けたりしない。
頑固な俺でも一応、学習したつもりでいるから、お礼の言葉だけ返しておく。
それからは特に二人と話す事もなく、気が付けば昼になっていた。
散々だった昨日が嘘だったかの様にいつも通りだ。
いや、昨日もそう言ってあの始末だったんだから、気を抜いてはいけないんだけど…
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