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「別の人と帰る?」
思いっきり訝しげな顔をされ、反射的に目を逸らす。
想像通りの反応だが、想像以上に怖い。
放課後、それもHRが終わった直後で教室内にはまだ半数位の生徒が残っている。
周りは休み時間同様に賑わっていて、それが寺野との沈黙を埋めてくれている事に少しばかり感謝した。
「その“別の人”って言うのは、昨日助けてくれた優しい人の事?」
嫌味たっぷりだと言う声色に自分で顔が引き攣っているのが分かる。
いや、別に寺野相手にバレないなんて思ってなかったが…というか、騙しているつもりも無い。
ただ最初は穏便に済ませたかっただけだ。
昨日の今日で突然、それに成瀬とは決していい雰囲気では無かったんだし、受け入れられなくで普通だ。
だから今は無理でも時間さえあれば信用出来る関係になれる、その時になったら話そうと思ってたんだ。
時間さえあれば…多分。
「そう、わかった。京君が決めたんなら何も言わない。」
そんな身勝手な俺に呆れたように溜息をつくが、掛けられた言葉は思いの外優しいものだった。
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