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まきなる 闇深め
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「成瀬。お前の価値はなんだ。どうして、結果がこの程度なんだ?」
「…っ…ぁ…」
??成瀬とバレー部の顧問?
てか、成瀬あんなに怯えてるの初めて見たつうか、あり得ねぇ…顧問にはいつもの態度じゃねぇんだ
「まるで話にならないな。会話にもならん。部長も、一年生の泉堂に任せた方が良さそうだよな?そう思うだろう?お前はなにができる。何が変わった?この程度では実力不足だと思わんか?全く。今日も練習は見に行かない。お前の力で何とかして見せろ。出来ないのならお前なんぞいらん。」
うっわぁーこれってさぁ…
「そうだ。今度の試合は俺が監督につけるからお前は来なくていいぞ。お前がいると…チームが全く機能しないんでな」
…やべぇものみちった。
つか、あの監督言ってることめちゃくちゃじゃねぇ!?
なに、成瀬に何をさせようとしてんの?
こっわ!
成瀬…
「今日から、ノルマを増やす。ついてこれないやつは帰っていい。残ったやつだけ大会に出るための練習を許可する。
時間は変わらないため、休憩する暇があるなら練習に身を捧げろ
生き残りたいならたえろ。」
うちのバレー部は、厳しいだけでそれに見合う成果をあげられない弱小ではないが強豪でもないチームだ
俺は元々、ここではない、インターハイになを連ねる私立の高校へ入学するはずだった。
しかし、経済的に厳しくバレーができればいいじゃないそのチームを育てればと親に説得され、近くの高校へ幼馴染と一緒に入学した。
…何が間違いだったのか。
「成瀬部長!こんなの、バレーじゃない!俺らは、バレー部なんだ!!」
バシッ!
「口を慎めタコ。フィジカルも出来てないクズに、バレーを、やらせられるわけねぇだろ。選ばれた選手のみが、練習に参加できる。甘い考えならすべて捨てろここでは強くなることだけが勝つことだけが正しさなんだ。…帰れ」
「嫌です!バレーをさせてください!」
チッ…
「たく、聞き分けのわりぃくずだな。」
こうやって、殴ったり蹴り飛ばしたりすることは当たり前だった。
そして、当然のように人が減っていった。
頭では正しくないことをなんとなく理解している。
けど、この場にたつと…このようにしか振る舞えない。
終わってから、一人で泣いて、一人で暴れるしかなかった。
誰にもこの辛さを打ち明けることは出来なかったのだ
価値がある人間なら、一人でなんでもやりのける。
人の力をかりるのは弱いやつのすることだ。
辛さを越えてみろ
価値があると証明しろ
価値がある人間には仲間が自ずとついてくる。
お前に価値がなければこのチームも、それ相応になる。
そんな言葉が俺を孤独にして閉じ込めるんだ
「成瀬、あんま部員いじめんのやめなよ。良い噂無いぜ?このままだと、親とかにさ…」
心配して声をかけてるのか。俺をあわれむのか否定するのか?間違ってるのか?
正しいはずだ。俺は、間違ってなんかない。
ついてこれないやつが弱いんだ
「黙れよ…」
「ほんと、大会どころじゃ」
「口を慎めってんだろ!!お前みたいな偏差値も低くて部活もしてない、なんの経歴もないさした能力のない底辺に、俺のこと理解できるわねぇじゃん!!物事は上にたってから言えよ!悔しいならまさるものを提示しろ!!てめぇなんか努力もないただのごみくずだ!!!」
取り乱して暴れる。
一度や二度でない。わりとあることだ。
気がすむまで暴れるか、喧嘩するか、先生が止めるか。
どちらにせよ、酷くなるといつもアイツがきて、成瀬を連れていくんだ。
何事もなかったかのように整理され、揉め事を起こした相手も次の日にはなぜか元通り成瀬に接していることが多い
…俺の頭じゃわかりきれないほど、深いなにかを抱えてるらしい成瀬は。
関係ない。
どうでもい。
やつを知るたびに胸がモヤモヤしてなんだか気分が悪い
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