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2人でいたい-3
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「できた…!」
1時間くらいかけてようやく陽斗さんへのお手紙が完成した。
もちろん、犬のオルゴールの絵も描いた。
陽斗さん、喜んでくれるかな?
「陽斗に手紙書いてんの?ウケる~!」
「わ!見ないでっ!!」
莉奈さんが横から覗き込んできた。
なんで莉奈さんが見るの。
陽斗さんだけが見ていいものなのに。
「何なに?翔星、俺に手紙くれんの?」
「うん…っ!」
陽斗さんにお手紙を渡す。
ちゃんと受け取ってくれるかな?
「翔星ありがとう。」
そう言って、にっこり笑ってくれた。
嬉しい!陽斗さん、喜んでる!!
「すっげー嬉しい…。俺もあとで返事書くな。」
「うんっ!!」
陽斗さんの笑顔を見るとすごくドキドキする。
胸がぎゅってなって、手をつなぎたくなる。
「陽斗さん…こっち、きて…?」
テーブルを挟んで向かいに座っていた陽斗さんがうなずいてこっちに来てくれた。
「あのっ……陽斗さん……てっ…。」
手をつなぎたいんだ。
手をつなぎたいって言いたいのに、言葉に詰まってうまく言えない。
また涙が出そうになる。
なんでいつも、言いたいことが言えないんだろう。
みっともなくて恥ずかしくて目をそらしてしまう。
「て………?あ、もしかして。」
俯いていると、手に暖かさを感じた。
「ん…あ……。」
「こいうことであってる?」
「あって…る!!」
なんでだろう。
どうして陽斗さんは俺が言いたいことを分かってくれるのだろう。
陽斗さん、俺ね、俺。
陽斗さんのこと好きなんだよ。
大好きなの。
ねぇ陽斗さん、伝わってる?
陽斗さんがすき。
初めて自分から指を絡めてみた。
陽斗さんはちょっと驚いた顔をしたけれど、すぐに笑ってくれた。
「す…き………。」
小さな声でそっと呟いてみた。
聞こえててほしいけど、聞こえてたら恥ずかしいな。
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