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唖然
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あれから数日。
……実は、あれからほとんど高木と喋っていない。
あの、最初の、キスと、彼氏のことから。
僕は僕で気まずいものがあるし、第一僕がした告白のことを高木はやっぱり覚えてもいないみたいだから、なんだか話しているうちにぽつりと言ってしまいそうで怖かった。
んだけれども。
……心なしか、高木の方も気まずそうなんだよなぁ。
初日にキスしてるとこ見られたから?
本当は僕の告白を覚えててどうしたらいいかわからないとか?………あり得る。
……もしかして、もしかしてだし、信じてもいないし、信じられないけれど、僕のことが、好き、だから?
いやいやいやないないない。
ぶんぶんと大きく首を横に振ったら、頭がガンガンした。
………でもなー、もし仮に。仮にだよ?
あいつが僕のことを好きだったとして、なんであいつはあんなことを言ったのかな?
照れ隠し?…んなわけないか。だってあいつ、言いたいことははっきり言ってたし、差別しない、皆と仲良い、とかで評判だったしなー。
……そういえば僕って、高木のことまだ好きなんだろうか。
なんてことを考えてると、
ガチャリ。
ドアが開いた。
高木が帰ってきたのだ…と、思って
「おかえり」
そう言おうとして開いた口は次の瞬間、誰かの唇によって塞がれていた。
「!?…んっ……ちょっ……待てって!!」
ぐい、と腕を押しやってキスをやめさせる。
「奪っちゃったぁ」
そう楽しそうに言ったのはこれまた可愛い子で。高木と雰囲気は違うけれど、人懐っこいくりんとした目。パーマがかかったような栗色の髪の男。
……は?
状況が飲み込めず、また突如部屋に突入し、俺の唇を奪われた僕は、口が空いたまま閉じることができなかった。
そして開け放たれたままの部屋の入り口には、まさに今帰ってきたであろう高木の唖然とした姿があった。
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