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告白
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「……ねぇ。そろそろどいてくれない?」
…やっと頭の中を整理することができた。
……うん
まさかそんなことだとは誰も思わないよね。
いきなりキスされたからどうしようかと思った。しかも、亜希くん?だっけ。可愛いし。
……僕のこと、好きなのかぁ。
………そっかぁ。
でもね。
今、気づいきましたよ。僕は高木のことが好きなんだ、って。一回振られても、彼が僕以外の男とキスするのが死ぬ程嫌なくらいには、あいつじゃないと、ダメなんだよ。
どいて。もう一度そう言うと、亜希くんは苦しそうな、泣きそうな表情を見せた。
「っ……いいじゃん。僕と、付き合ってよ?
僕なら、絶対に近藤くんを、振ったりしない。ずっと好きだったんだよ。ずっと、ずぅっと。好き。」
「……ごめんね。でも、高木じゃないと、ダメ、なんだ。僕は、高木が、好き、なんだ。」
振られてしまっても、それでも。
…一緒に居たくて。……でも、あいつには彼氏がいて。それすら、叶わない。
だけど、高木以外と付き合うのは、嫌だ。
亜希くんの目に、大粒の涙。ぽろり。とめどなく流れて行く涙を、彼は拭おうともしない。
「でもっ!………あいつは…祐樹は、近藤くんを、振ったじゃないか!……それなのに…なんで…」
「なんでだろうね。わからないよ。わからないけど、僕は、高木が、好き、だから。…ごめんね。亜希くんのことは、恋愛の対象として、みれない。」
「っ……………好き。………近藤くん、好き、だった。………祐樹のとこ、はやく、行ってあげて。祐樹、ずっと、近藤くんのことが、好きだったから。待ってるから。今も。きっと。」
ボロボロと涙を流しながら、それでも、彼は、高木の心配をした。
彼のその姿は、とても…綺麗で。
「…?でも、待ってるって言っても、あいつは僕のこと、覚えてなかったy「はぁ?!何言ってんの?祐樹は、ずっと近藤くん一筋だったよ!?この間、新学期の時なんて、一緒の部屋になった!…なんて、すごく嬉しそうで。いつ帰ってきたのかなぁ。とかさ、ずっと、あんたのこと喋ってたんだよ。…僕だって、嬉しかった。祐樹が、羨ましかった。近藤くんに、好きになってもらえたのに、高木はなんでか振っちゃって。自分で振ったのにすごく落ち込んでるし。で、今、さ、振られても、近藤くん、また、祐樹のこと、好きになってるし。」
…マジか。高木、俺のこと大好きじゃん。
「何ニヤけてんだよ!馬鹿野郎!こっちは失恋したってのに!さっさと行けよぉ。」
無意識のうちに、ニヤついていたらしい。
さて、と軽くなった身体を起こし、立ち上がる。僕よりも幾分か背の低い亜希くんの頭を撫でて
「好きになってくれて、ありがとう。」
そう言えば、彼は、また瞳を濡らした。
「バカ…やろ……さっさと行け、よ。……もし振られたら、僕と……なんでもない。慰めるぐらいはしてあげるよ。」
嗚咽混じりのくせに、にかっと笑いながらいうもんだから。
「なんで上からなんだよ。」
俺まで笑ってしまった。
はやく、はやく高木のところに行かなくちゃ。高木に、もう一度、好きだ、と。言うために。彼を、攫いに行くために。
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