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羞恥
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「ねーぇ、なんで逃げるの」
「…別に。逃げてねーし」
「じゃあ、ここ来てよ。ここ。」
「…やだ」
「逃げてんじゃん。バカ」
「なっ…!逃げてねーよバカ!」
先程からずっとこんな感じで。
近藤はベッドに座っていて、さっきから近藤が座っているすぐ前に座れ、と言われている。
そこに素直に行って座ってしまうと、近藤に後ろから抱き締められる形になる。すっごく恥ずかしい。
近藤の近くにいたい、いてもらいたいのに、抱きしめたいのに、抱きしめて欲しいのに、…触れたいのに、触れて、欲しいのに。
いざとなると、首を素直に縦に振れない自分がいる。
…なんで俺、素直になれないんだろ。
自分が嫌になる。
近藤は1度俺に振られてるのに、また俺を好きだと言った。近藤が、俺に笑いかけてくれてるのに。嬉しいのに、いつも仏頂面になってしまう。
こんなのだったら、いつか近藤に愛想を尽かされてしまう。
嫌、嫌だ。そんなの。
はぁ、
溜め息が聞こえて、近藤が立ち上がる。
はっ、と我に返る。
ああ。やだ。やだやだどこへも行かないで。
次、次もう一度言ってくれたら、ちゃんとそっちに行くから。だから……
ぼすっ
近藤が俺の座っているベッドの方に腰掛けて、俺の後ろにまわった。
脇の下から近藤の腕がにゅっ、と、二本出てきて、なんだか吹き出しそうになった。
出てきた腕は、俺をぎゅう、と抱きしめた。
首筋に、近藤の息がかかる。…なんか、変な、感じ。
「高木って、いー匂い?」
…耳元で、話さないで。首筋に、息、かけないで。
首筋かけられた息は、耳元で囁かれた心地よい低い声は、ぞくぞくと電流のように俺の背中を駆け巡り、身体全体を甘く痺れさせた。
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