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レモンキャンディ①
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(島田真理語り)
「ふぁぁぁ。」
授業のつまらなさに欠伸が出た。
昨日はあんまり寝ていないので、何も頭に入ってこない。
昨晩は、セフレその1のナオちゃん(女)と会っていた。
僕は、男と女の子どちらもイケる。
女の子を抱くと、柔らかくていい匂いがするから好きだ。
でも男の人に抱かれる方がもっと好きなので、女の子のセフレはナオちゃんだけだ。
ポケットのスマホが振動した。
寝てるふりして、机に突っ伏したまま確認する。
加瀬先輩からのLINEだった。
『放課後会いたい』だって。
ちょうどよかったと思った。
昨日女の子を抱いてきたから、男の人に抱かれたくなってたんだ。
でも学校だから、たぶん最後まではできない。
ちぇっ、つまんないのー、と口を尖らせながら『いいよお』と返信した。
放課後、加瀬先輩を校舎裏で待っていた。
遠くで部活をする人達の声が聞こえる。
部活で汗流すとか、僕的に絶対ありえない。
「まーさみーち。元気してた?」
あっ、加瀬先輩が来た。
加瀬先輩は、背がすごく高い。
サッカーをやっていただけあって、体つきはガッシリしている。
切れ長の目に短髪がよく似合っていた。
「加瀬先輩、会いたかったよ。」
抱きつくと、すっと背中に手が入り俺の肌を撫でる。
「俺も。久しぶりだな。」
僕と加瀬先輩は、半年ほど前から体の関係で、お互いセフレの1人だ。
学校でも時々こうしていちゃつくこともある。
呼び出されば、他の用事がない限り応じていた。
強い力に包まれるって幸せ。
「ほっせーな。また痩せた?」
「うふふ。変わってないよ。」
先輩の手が乳首をなぞる。
「……あっ……」
気持ちいいから、もっと触ってじらして。
やっぱりこっちの方が、女の子より満たされる。
次第に求めあうように、口づける。
加瀬先輩のキスは、大好きだ。
僕の髪の毛に手を入れてくしゃくしゃにしてくれるのが気持ちいい。
壁に僕を押し付けて覗き込むようにされて、何度も何度もキスした。
僕が女の子を抱くのは、男の人の良さを確認するためなんだろうな。
小一時間、外でいちゃいちゃしていた。
学校だから、これで終了だ。
加瀬先輩は、次会うときセックスしようなって言ってくれたけど、受験生だし、あんまり会えないと思う。しばらくは先輩には抱いてもらえないから、さみしい。
先輩の後ろ姿を見送り、教室に戻ってカバンを取って帰ろうかなと思って歩きだしたら、ガサゴソと音がした。
草むらで誰かが走り去る姿が見えた。
あのう、サッカーボール忘れてますけど……
ものすごい悪趣味だ。覗かれた。
人に見られることは気にしないけど、木陰で覗かれたと考えるといい気分はしなかった。
見物料よこせ。
幸せだったのに、一気に萎えた。
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