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レモンキャンディ②
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(島田真理語り)
覗かれて盛り下がった気分を上げるにはどうしたらいいか考えた。
思いつくことはセックスしかなかった。
うん、そうだな、誰か捕まらないかな。
だけども、こんな時に限って誰とも連絡がつかなかった。
素直に諦めて、大人しく家へ帰ることにする。
校舎を出たところで、校門に誰か立ってるのが見えた。
明らかに高校生ではないその人は、下校中の生徒を凝視してた。
僕はその人を知っている。
やばい、信一だ。絶対に僕を探してる。
先週、俺のモノになれって言われたから、丁重にお断りしたはずなのに、学校まで僕を探しに来ている。
納得がいかなかったんだろうか。
兄ちゃんの知り合いだから、余計に面倒くさいことになりそうで関わりたくなかった。
向こうからグイグイきたので2、3回相手をしただけだ。
うわー、どうしよう。
修羅場っぽいのは苦手だよ。
裏口から逃げるか真剣に考えた。
逃げても家を知られてるから同じだろうな。
下駄箱付近で悩んでいたら、
「どうかしたの?」
と声を掛けられた。
声の主は……誰だっけ?
見たことあるぞ。確か…同じクラスの……伊藤君だ。
伊藤君は僕ほどじゃないけど可愛い顔をしている。
その気になれば、モテモテじゃないかな。
色気もその辺の女子よりあるし。
そうだ、伊藤君に協力してもらおう。
いい考えを思いついた。
「あのさ、伊藤君、協力してほしいことがあるんだけど。」
突然早口で話し始めた僕に、伊藤君は呆気にとられている。
「校門に、怖い知り合いが来てるんだ。見つかったら絶対殴られる。
家を知られてるから、逃げられない。
話を着けたいから一緒に来てほしいんだけど。」
「一緒に?俺が?」
当然、伊藤君はびっくりした顔をする。
「何もしなくてもいいから。側にいてくれればいいんだ。1人だと怖くて。」
伊藤君は、うーんと少し考えてから、
「いいよ。」
と答えた。
彼は案外お人好しなのかもしれない。
2人で並んで一緒に校門へ向かうと、案の定、信一が僕を見付けて駆け寄ってきた。
「真理、俺の話をもう一度、ゆっくり聞いてほしい。」
今にも噛みつかんばかりの必死さが伝わってくる。
「聞くから。あっちに公園があるから、そこで話そう。」
僕の作戦がうまくいきますように。
そう祈りながら、伊藤君と共に信一を公園へ誘導した。
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