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さようなら、こんにちは⑦
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(熊谷先生語り)
旧校舎付近を巡回してたら、早足に去っていく猪俣を見た。
もしかして葵絡みかな、と思ったら気が気じゃなくなった。酷いことして泣かせたりしてたら、許さない。
どこかで葵が泣いてるのかもしれないと思ったら、胸が痛かった。
探そう。
葵はすぐに見つかった。
階段のすみっこで丸くなって座っていた。
震えてる後ろ姿を見たら愛しさでいっぱいになる。葵は、泣きながら猪俣と終わりにしたと教えてくれた。
相当辛かったのだろう。
泣きはらした目は痛々しい。
今すぐ抱きしめてキスをして、好きだよと言いたくなった。
だけど弱っている人に付け込むことは、猪俣と同じなので耐えた。
ひたすら耐えた。
俺にしがみついて泣き出した葵からは、いい匂いがして、肩を抱くので精一杯だった。
葵が失恋の痛手から立ち直ったら、もう一度告白してみようかな。
今は葵をぐだぐだに甘やかしたいと思った。
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