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さようなら、こんにちは⑧
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(締め。葵語り)
泣き終わったら、結構な時間が経っていて慌ててサッカー部の模擬店に戻った。
旧校舎を出るまでは、熊谷先生と手をつないでいた。
別れ際、熊谷先生はきゅっと両手を握って
「いつでも話は聞くから、泣きたくなったら言うんだぞ。約束だからな。」
と言った。
ありがとう。
言い方が教師っぽい。
これから泣きたくなることも、思い出して辛くなることもあると思う。
だけど、それは自分が選んだ道だ。
受け入れて歩いていくしかない。
それを含めて自分なんだ。
殆どのことは時間が解決してくれると、熊谷先生が言っていた。
外に出たら風が気持ちよかった。
すべてを包んでくれるような柔らかい空気だった。
うろこ雲が秋の空に広がっているのを仰いで、俺は歩き出した。
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