アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
犯人は誰?④
-
(島田真理語り)
うぉーーーと勢いよく倒れたヤツに飛び乗り、僕はヤツに馬乗りになった。
はぁはぁはぁはぁはぁ、息が苦しい。
普段走らないから、体が軋んでいる。
息が整うまで時間が掛かかりそうだった。
心臓がばくばくしてして言葉が出ない。
ヤツは、僕の知らない人だった。
見たことが無いが、なんとなく3年生な気がする。
短髪で背が高く、丸いアーモンド型の目と通った鼻筋。
バランスのいい顔だ。
ちょっと好みかも……なんて思ってる場合じゃない。
「覗きなんて、悪趣味だよね。わかってんの?」
ヤツは目を反らしたままこっちを見ない。
往生際の悪い男だ。
「おい、あんた3年生?」
体がピクっと動いた。当たりか。
相変わらずこちらを見ない。
「加瀬先輩の知り合い?恋人?」
「…………」
無反応……。
むかつく。
僕がヤツの髪を思いっきり引っ張ると、呻き声が漏れた。
「僕についてきて。逃げたりしたら加瀬先輩に言うから。写真撮って先輩にLINEするよ。」
加瀬先輩の名前を出したら急に大人しくなる。
奴は項垂れるように下を向いて、僕の話を聞いていた。
僕はその時、いい事を思いついた。
ヤツの身柄は、熊谷先生行きに決定。
熊谷先生にどうにかしてもらおう、と考えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 456