アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
犯人は誰?⑤
-
(熊谷先生語り)
職員室で巨乳の山崎先生と来年度の予算について話をしていたら、目線が胸にばかりいって……じゃなくて、島田に呼ばれた。
一体何の用かと思い廊下に出ると、奴はシャツのボタンが全開で、汗だくで、はあはあ言っていた。
そんな格好で何しに来たんだ?
唖然としている俺の前には、無駄に色っぽい島田と蛇に睨まれた蛙のように縮こまっている山本がいた。
「島田、用件は何だ?山本も一緒か?」
島田の顔が引きつり、山本を一瞥した。
「熊谷先生、この人、山本って言うんですか。この人ね……。」
島田がキスだの、セックスだの職員室前の廊下で言い出したので(汗)大慌てで場所を生徒指導室に移動した。
で、今に至る。
突っ込みどころが満載すぎて、こいつに何を言ったらいいのかさっぱりわからなかった。
何を言ったら心に響くのかも、考えるのすら無駄な気がした。
「だから、加瀬先輩とセックスしようとしてたら、この山本とかいう人が覗き見してたんですってば。」
はぁ。
このアバズレをどうしたらいいんだ。
ため息が出た。
「まず、島田はどうして俺の所に来たんだ?」
「先生は生徒指導担当でしょ?この山本っていう人を指導してほしくて。」
俺は、島田の指導から始めなければなるまい。ため息をついて、口を開いた。
「島田。まず服はちゃんと着ろ。そして、学校でセックスをしてはいけません。」
「えーなんでぇー、みんなしてるよぉ。」
これが真面目な受け応えだから恐ろしい。
本人は一切悪いとか、恥ずかしいとか思っていないからね。
「みんなするわけないだろ。」
みんな、って……。
小学生が欲しいものを親にねだる時の『みんな持ってるもん』のみんなと同じ感覚だろうか。
島田は、山本が悪い悪いを連呼して、自分のことは棚に上げていた。
こいつには、道徳感が全くない。
俺的にはそんなことを学校でして、覗く人より覗かれる人の方がよっぽど悪いと思うのだが。
「山本って人、二回目なんだよ。覗くの。だから僕もむかついたっていうか。」
二回目………
見る方もそれなりに悪いのかもしれない。
「山本、本当なのか?」
下を向いていた山本がゆっくり頷いた。
これは…山本が病んでそうな雰囲気だ。
山本の話を聞いてやる必要がある気がした。
だが、聞いたら山本の闇に喰われそうで、俺はこの場から逃げ出して、今すぐ帰りたくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 456