アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
犯人は誰?⑥
-
(熊谷先生語り)
島田はとりあえず鬱陶しいから帰した。
何か言いたそうだったが、無視した。
島田の相手をしていると疲れる。
それに、山本の方が性急に解決する必要があると判断したからだ。
項垂れている山本に俺は優しく話しかけた。
「おい、山本、なんで覗き見したんだ?言ってみろよ。誰にも言わないから。
学校でやるあいつらの方が悪いから、お前は悪くない。むしろ被害者だと思うぞ。
それとも加瀬か?サッカー部で部長と副部長だったもんな。」
下を向いていた山本が、ビッチ島田に捕まえられてしゅんとしていた山本が、遂に口を開いた。
「俺……加瀬と友達だと思ってたのに……島田とかいう変なホモ男に引っかかって、うれしそうな加瀬が……許せなくて……。」
うんうん、分かるぞ。
友達に裏切られた感じがしたんだよな。
島田最悪だな。
お互い遊びなのは俺が見たら判るが、山本にはそう見えなかったのだろう。
「そしたら……期末テスト前に……裏庭で抱き合ってるのを見て……何も手がつかなくなって……苦しくて…」
ん?ん?話の方向が逸れてる?
何も手がつかない?苦しい?
「引退してからも…サッカー部の練習に時々顔を出してるのに…加瀬が来なくて…そしたらまた裏庭で……」
加瀬を取られて、凹んでいたのか。
これって、恋じゃないのかと一瞬思った。
山本、加瀬に恋してんじゃないのか。
それに加瀬のストーカだろ。
「ちょっと待て。お前、気付いてないっぽいけど、加瀬のこと好きだろ?」
「えっ??そんなこと……」
「俺には加瀬が好きだけど、島田といちゃいちゃしてる加瀬を見ていて苦しい、としか聞こえないんだけど。」
山本が黙った。
頭の中の小さい自分達と対話中かな。
「………えぇ、ぁぁ…たぶん好きです。」
少しして山本がボソッと呟いた。
結局、恋煩いか。
だから赤点取ったのかと、俺は色々と合点がいった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 456