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しりとりの続き①
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(ここからしばらく葵語りです)
お騒がせ山本先輩事件は、熊谷先生から聞いた。恋心も拗らせると大変なんだなと思った。加瀬先輩と島田がそんな関係だったのに驚く。
島田って俺にもあんなことやったし、根っからのエロホリックだな。
今日、島田は筋肉痛(笑)で休みだった。
走る島田……を純粋に見たかったと惜しい気持ちになる。
必死に走るあいつを好奇心で見てみたかった。くぅー残念。
島田は、はだけたシャツに汗と白い肌で妖艶だったと熊谷先生は言っていた。
妖艶って、男に使う表現じゃないでしょ。
島田なら似合うかな。ふふふ。
「ねぇ、葵。」
昼休み、熊谷先生が窓際で煙草を咥えながら言った。目線は空を見ている。
「はい。」
「文化祭の時、すごく落ち込んでたでしょ?
もう治ってきた?」
お陰様で底辺は脱し涙は出なくなっていた。でも、ぽっかり空いた穴はすぐ埋まることはない。
前が終わったから、すぐ次の人と付き合おうとは思えなかった。つくづく俺の脳みそは都合よく出来てないと思う。
熊谷先生はまだ俺を好きだとか思ってくれているのだろうか。
「復活してきました。あの時は、ありがとうございました。」
そう言えばお礼を伝えてなかった。
「あのさ……じゃあ、頑張ったご褒美にどっか行かない?」
「ご褒美……ですか?」
ご褒美をもらうような事はしていないと思う。
ましてや熊谷先生にもらうなんてね。
俺が御礼に何かをするなら分かるけど。
「熊谷先生には、話を聞いてもらっただけで十分なんで、ご褒美までもらうなんて……もらえません。」
そう言うと、熊谷先生がこっちを見た。
「では、言い方を変える。ご褒美と称して俺は葵とどっか行きたい。」
あぁ、そういうことか……
えっ??
「あっ、あのうっ……」
この人のストレートに感情を表現する所には、毎回ドキドキさせられる。
心臓に悪い。
そうなんだ。俺とどっか行きたいって、うれしいな。
心がじんわりあったかい気持ちになった。
「葵?いいの?ダメなの?どっち?」
「あの……行きたい……です。」
「じゃあ、決まり。この間は山本が付いてきたけど、今回は二人で行こうな。」
二人で行こうな、だって。
次の日曜日に行こうと約束した。
次があることが、こんなに嬉しいことなんて、初めて知った。
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