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しりとりの続き③
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(熊谷先生語り)
年甲斐もなく、昨日はあんまり眠れなかった。緊張して眠れないって遠足前の小学生かと自分にツッコミを入れる。
待ち合わせ場所にも、かなり早く着いてしまった。
なんか、俺……浮かれてるかも。
端から見たら痛い男だよな。
葵に紅葉を見に行くよと伝えたら、キョトンとしていた。
あんまり高校生は紅葉なんか見に行かないなと思いつつ、車を走らせる。
俺から誘ったものの、いざ車という密室の中では何を話したらいいのか分からなかった。
「今日は、熊谷先生に聞きたいことがあるんです。」
葵が口を開いた。
「なに?何でも聞いていいよ。」
勉強のことか、それとも大学のことか、何だろうなと考えていると、葵はがさごそとカバンから紙を取り出して広げた。
「うんと、まず誕生日はいつですか?」
「2月3日だけど、その紙何?」
「これは、熊谷先生に聞きたいことをリストにしてきたんです。覚えられなくて。」
なんか、とてつもなく可愛いんですけど。
聞きたいことをリストにして紙で持ってくるとか、やることがいちいち俺をキュンとさせる。
無意識にやっているのだろうが、愛しくてしょうがない。
今日は、葵にもう一度告白してみようと思っていた。楽しそうにしている葵を見ていると、期待をしてしまう。
ちゃんと俺の気持ちを受け止めてくれるのだろうか。
とにかく、どこに地雷が埋まっているのか分からないから注意しないと萌え死にする。
俺の心臓が持たない。
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