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熊谷先生の憂鬱2
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(熊谷先生語り)
職員室に着くとある話題で持ちきりだった。
巨乳の山崎先生が教えてくれた。
3年担任の木村先生が、女子生徒と親密な関係にあったというものだった。
不審に思った女子生徒の親が直接教育委員会に訴えたものだから、事態は更に大きくなったようだ。
耳が痛い内容だけど、俺は葵にまだ親密なこと何もしてない。ってかできてない。
会いたいし、触りたいなぁ。
葵は細いが男の子だ。抱きしめた感触も女の子とは違った。
丸くなく、角張った感じがした。
なのに、ふわりと漂う色気があり、それはいつも俺を困惑させる。
服の下はどうなってるのだろうか。
パンツの中とか………
「熊谷先生、聞いてます?」
しまった。意識が違う方向へ行っていた。
山崎先生の話の途中だった。
「すみません、何でしたっけ?」
「木村先生、懲戒免職でしょうか。」
「難しいですね。こんなに大事になれば、退職は免れないんじゃないでしょうか。」
山崎先生は、心配そうにしていた。
もし、俺が同じ立場になったら心配どころかぶっ飛ぶだろうな。
きっと口も聞いてくれなくなる。
教師という仕事は、つくづく損な役回りだと思う。
あんなに頑張っても生徒達の記憶に残るのはほんの一握りで、あとは風景と化していく。
ささいな事を大ごとにされて、人間失格のレッテルを貼られてしまう。
俺も周りにいる他の先生も歯車の中の部品でしかないのだ。
なりたくてなった訳だし、ある程度は覚悟していたが、巣立つ生徒の未来が時々羨ましくてしょうがない。
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