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熊谷先生の憂鬱6
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(熊谷先生語り)
「熊谷先生こそ注意されたほうがいいんじゃないですか。」
青木先生がこっちを見た。
へっっ俺が?まさか。
「ないない。ないですよ。もてませんし。可愛い生徒に好かれてみたいですけどね。」
もうすでに可愛い生徒にメロメロだから、俺も木村先生と同等だろうな。
「…………そうですか。僕は熊谷先生みたいな先生がいたら、好きになっちゃいますけどねぇ。」
今サラッとすごいこと言わなかったか。
気のせいだと思いたくて、そのまま流した。
「じゃあ、俺は青木先生みたいな生徒がいたら、付き合えるってことですね。ははは。」
冗談で流してもらう予定だったのに、冗談では済ましてもらえなかった。
青木先生は真面目に受け答えた。
「はい。付き合えますよ。どうせなら今からでも。」
とにっこり笑った。
笑顔が怖い。
「…………」
何て返せば正解なんだろうか。
「ははは、青木先生、冗談きついですよ。」
お願い。サラッと流して。
「冗談ではないですけど。流してくださって結構です。また改めて言いますから。」
流れたけど、ドロドロだ……。
余計混乱するだけだから、改めて言わなくてもいいって。
男からの告白は気持ち悪いだけだ。
青木先生は俺の頬に手を添えた。
こういうのも鳥肌が立つだけなんだけども。
「そんな顔しないでください。取って食べたりしませんから。」
俺は葵が好きだから、あなたの気持ちには応えられません、って伝えられたらどんなに楽だろうか。
チャイムが鳴った。
金縛りが解けたみたいに、力が抜けた。
このままだったら逃げられなかった。
「帰りましょうか。」
青木先生がゆっくり立ち上がり、俺もそれに続いた。
問題が1つ増えた気がする。
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