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葵のやりたいこと5
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(葵語り)
先生、いやっ佑くん……先生の頑張りの大根おろしも完成した。
鍋の上に覆うようにかけて、火を付ける。
「しばらくコトコト煮る。」
あとは蓋をして、しばし待つのみ。
ガスコンロと換気扇の音が静かな部屋に響く。
「葵、現文何点だった?」
「げっそれ聞きます?…………ろくじゅうさんてん……。」
「びみょーだな。中途半端だけども、1学期よりは上がった。赤点から平均並みになった。」
先生は、よしよしと頭を撫でてくれた。
ギューとハグもしてくれた。
「お前はかわいーなぁ。かわいい、かわいい。かわいくて、たまらんよ。」
その時、俺の中の何かが溢れて止まらなくなるのが分かった。
胸の奥が苦しくて、むず痒くて、熱い。
堪らなくなって、先生の腰にぎゅっとしがみついた。
「うわっ、何?何?どうした。」
先生がよろめいて、倒れた。
けど、俺はまだ先生の腰にしがみついたままでいた。
「葵、離して。痛い。」
「やだ。離さない。」
「頭なでられるのが嫌だった?」
「違う…………」
「じゃあなに?」
「…………キスの続きがしたい…………」
「……………………」
「……この間の続き………しよ………」
沈黙がしばらく続いた。
ガスコンロの音が聞こえる。
考えてるのかな。
大人って難しい生き物だな。
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