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真理と和樹2
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(葵語り)
放課後、病み上がりのため部活をサボって帰ろうとしていた俺に島田が近寄ってきた。
「葵君帰んの?部活は休むの?」
う……。バレた。
この前、家に連れ込まれて変なことされたから放課後は避けてたのに……捕まった。
無視して帰ろうとしたら、
「待って。お願いがあるの。」
ガシっと腕を掴まれた。
「なに?家なら行かないよ。」
「違う。あのさ、また彼氏役して欲しいんだけど。」
「え、やだ。帰る。」
「何にもしないから。キスもしない。お願い。僕を助けて。」
こいつに関わると絶対良くないことが起こる。俺の第6感が告げていた。
さらに島田は続けた。
「ちょっとだけ。カフェでお茶して話すだけなの。葵君は座っててもらえばいいの。」
「やだ。」
「お願い。お願い。一生のお願い。」
うーん。しつこいな。
もう……座ってるだけなら、いいか。
「何もしないって約束するなら。本当に座ってるだけだから。」
「ありがとう〜葵君好きだよ〜。」
島田に好きって言われてもちっとも嬉しくない。
待ち合わせに向かう道中で、今回の島田の失態を聞いた。
なんと相手は同い年の女の子だった。
島田にしては珍しい。
島田兄が目に余るビッチぶりを見るに見かねて、女の子を紹介したらしい。
島田兄の気持ちは痛いほど分かるが、こいつに女の子は……無理だろう。
島田はその子と一回だけ映画に行ったけど クソつまんなかった、と言った。
女の子が気の毒で仕方ない。
しかも俺が彼氏って……。
紹介してもらった男の子に彼氏がいました〜って、笑えない。
女の子に今から酷いことをすると思うと帰りたくなった。
心が痛む。
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