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真理と和樹3
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(葵語り)
待ち合わせのカフェは駅前の細い路地を入った隠れ家的な所だった。
島田は迷わず進んでいくので、ついて行くのがやっとだった。
栗色のふわふわ髪を追いかける。
扉を開けるとおしゃれな空間が広がっていた。
高校生が制服で入ったら間違いなく浮く。
板目の床に、木目調の温かいテーブルにソファが並んでいた。
観葉植物に籐の籠やタペストリーが棚に置かれている。
奥の席に通された。
椅子はすべてソファだ。
島田と二人でおしゃれカフェに来るとは……。
隣同士でソファに座って、なんだか笑える。
「ここ来たことあるの?」
「うん。兄ちゃんの知り合いの店だから。」
島田の兄ちゃんって何やってる人なんだろうか。一度会った時はつかめない印象があった。
俺はコーヒーを島田はアイスティーを注文した。
まだ、相手の女の子は来ない。
携帯を出して確認すると、先生からラインが入っていた。
他愛もない内容で、思わず一人で笑った。
「何笑ってるの?何?彼氏?彼女?」
島田が覗きこんできた。
「見ないで。幸せが減る。」
「ちぇっ、葵くんもとうとう熊谷先生とやっちゃったか。」
「なっ……んで?」
「だだ漏れだよ。君ら二人。とっくの前から知ってたし。つまんないのー。ピンクを背負ってたのもそれかぁ。」
「…………」
「僕も彼氏がほしー。彼女でもいいけど。」
やってることと言ってることが矛盾してるぞ。
その時、一人の女の子がこっちにやってきた。
「真理くん、久しぶり。」
例の彼女だった。
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