アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
単純な葵2
-
(葵語り)
意外なことに、先生が言い出したのは島田の体調についてだった。
昨日、島田が軽いパニック状態になったのが気になったんだろう。
先生の質問に島田は淡々と答える。
「熊谷先生、言いたいことはこんなことじゃないでしよ。葵君とキスしたこと、怒る気でしょ。」
しびれを切らした島田が直球で言った。
場が凍りつく。
「そのことは全然気にしてないから。事故みたいなものだし。」
先生が涼しい表情で返した。
本人は大人ぶっているが、昨日の落ち込み具合を見ている俺は笑いたくてしょうがなかった。
島田が悔しそうに下唇を噛む。
「僕だってね、葵君と、抜き合い……」
だーーこれは言ってはいけないことじゃん。
「島田、これは今言うことじゃないから、ストップ、ストーーップ。」
必死でその先を言われないように阻止する。
何の自慢だよ。島田落ち着け。
先生が不思議そうな顔をしているが、そのうちに気づかれる。
気づかれた時、何されるかわかんない。
俺の身が危ない。
「そう言えば教科書泥棒見かけたか?」
「まだ見かけてない。探すなって言ったの先生じゃん。」
話題が逸れてほっとする。
「もし見つけたらすぐ俺に言うこと。間違っても自分からどうするとか考えるな。島田もな。」
「ほーい。」
島田がやる気のない返事をした。
「絶対だぞ。捕まえて懲らしめるとか考えるな。特に島田。島田が一番危険だ。」
「分かってるって。ねぇ、昨日エッチしたでしょ。エロいね〜エロ教師。僕にはすぐ分かったよ。」
島田が反撃と言わんばかりに得意げな顔で言い放った。
先生がこっちを見る。
いやいや、言ってないって。
俺は軽く首を振る。
島田が変な事を言い出すからいろんな意味でついてきてよかった。
二人の言い争いは見ていて面白かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
162 / 456