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単純な葵5
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(葵語り)
森田と別れた後、報告しないと怒られるから先生に概要をメールした。
細かい内容は話した方が早いから夜にでも電話しよう。
そしたら、すぐ電話が来た。
仕事中じゃないの?
慌てて木陰に隠れて電話に出る。
「もしもし、葵?メールの内容がさっぱりわからん。もっと校正してから打て。」
すいませんね、文章能力が低くて。
「森田が教科書泥棒なのは分かった。後は意味が分かんないから説明して。」
教科書泥棒が謝ってきたこと、キスしてたことを脅されて携帯番号を教えたことなどを説明した。
「うさんくさいな。森田ってやつ。」
森田は謎だ。
「先生があんなとこでしなければ、森田に脅されなかった。」
「しょうがないじゃん。したくなったんだもん。したくなるような葵が悪い。」
だもん、ってお前はガキか。
この文、殆ど平仮名でますますアホっぽく見えるぞ。
「森田……森田……ん?俺が担当してるクラスかも。たぶんあいつじゃないかな。頭がいいやつ。1年生の中で5番以内にいつも入っているぞ。」
頭がいいのにやることがあれでは……残念だ。
「とにかく俺が森田と仲良くしても嫉妬禁止。」
「わかった…………でも嫌だな。」
「先生だって職失うかもだよ。森田が誰かに言って噂になるのが、俺は嫌だ。」
最後は渋々納得していた。
とりあえず、一番の関門は突破した。
明日にでも島田に説明しよう。
携帯が鳴った。
また先生?まだ言いたいことがあるのか?
ディスプレイを見たら、森田だった。
ため息がもれる。
「……何か?」
「先輩、部活まだ行かないんですか?さっきから木陰で何やってるんですか?早く行かないと練習始まりますよー。」
またどこかで見られてる……。
ストーカーだな。
実際ストーカーだった。
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