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消化器内科、消化器外科の医師の腕は良かった。
さすが父さんだ。人選は間違わない。
「若いから、ここからは、ぐんぐん良くなりますよ。」
医師にそう言われて、僕は愛想笑いをする。
僕の態度に何か思ったんだろう。
「感謝しないとね、こんなに恵まれていて。
愛されてるし。」
また看護師の言葉が耳に障る。
耳に障るってことは、的を得てるからだよ。
わかってる。
『感謝』
僕の感謝は、どこへ行ったんだ?
大切なものを無くした。
冷えてる。
常に痛む、と言うことは無くなって、小さい声なら話しも出来るようになった。
少しの時間、ヘッドアップも出来る。
天海と、日向が、
「よっ」
と手を上げて挨拶をしてくる。
大丈夫だ。
身体は疼かない。
その事に、物凄く安心した。
2人は、所在なく静かに座っている。
僕の苦しみっぷりも、乱心振りも見ただろうに。
、、、、ああ、、、ああ、、、
僕が、、どんな奴かも、何をされたのかも、、
知っているかも、、、しれないんだった、、、。
怖い。
そうやって黙っていられると、怖い。
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