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日向が、小さい声で歌い出す。
ハスキーな声が、心に沁みて、涙が出てくる。
本当に、身が洗われるみたいだ。
薬のせいでぼんやりしていた僕は、日向の声で眠気に襲われる。
気持ちがいいな、、、どこかで、こんな事があった気がする、、
人前で寝るなんて、、あり得ないのに。
日向の前だと、、、どうして、、、
日向が、また小さい声で呟く。
「ねえ、、潤、、潤も、、歌うの、、好き?
一緒に、歌えたらいいなあ、、」
、、、
日向、、、
ああ、、
そうだった、、
僕も、歌うの、、、大好き、、だったよ、、、
ーーー
潤が眠ったので、
「潤、、バイバイ、、またね」とそっと言って、僕は帰るために廊下に出た。
向こうから潤のお父さんが来るのが目に入った。
「潤くんのお父さん、こんにちは!」
「日向くん、いつもありがとう、潤は?」
「あはっ、、僕が歌ってたら、寝ちゃいました。
それで帰ろうと思って。
それにしても、潤、なかなか退院できませんね」
ーーー
誠一郎は驚いた。
潤は、日向くんと、天海くんがいる場所で、
眠る事ができるのか⁉︎
天海くんに背中に手を置かれて眠っていた潤。
「日向くん、いつもありがとう。潤はとても喜んでると思う。
何も言わないけれどね。
潤は、家に帰ることを、身体と心が拒否してね、
退院の朝になると吐いて発熱する。
そして、潤が、あの家を出たいと言った」
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