アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Act2 2
-
なんだ今のは。
俺はゆるゆると立ち上がってドアを開け、部屋に入った。
首のマフラーを手に取る。
「…?」
タグのところに名前が書いてあった。
「“まひろ”…」
たぶんあの子供の名前だろう。
人間の子供はもっとギャーギャーしてるもんだと思ってたからなんか調子が狂う。
「帰ってきたら返せばいいか…てかあいつどこの子だ」
寒かったから、マフラーをなんとなく首からぶら下げたまま、買ってきたパンを焼いて、もそもそと食べた。
数時間後
テキトーに本を読んだりしていると、チャイムが鳴った。
「…」
ドアを開けると、
「…おじさーん…」
「うっわ!」
さっきの子供が立っていた。
しかもびしょ濡れで。
「お前…なんだその恰好」
「雪合戦で濡れたー、ねぇ、シャワー貸して」
「は!?」
「俺んち、シャワー壊れてて水しか出ない」
「断る」
「えー…」
へらっ、と笑ったかと思えば、子供がくしゅっ、とくしゃみをして鼻をすすった。
「寒いなぁ…」
「……」
にこにこと子供が笑う。
「寒いなぁ~」
「……」
にこにこ。
「さ・む・い・なぁーーーーっ」
にこにこにこ。
「………入れ」
「わーい!ありがとうおじさん!」
「わっ、こら、抱きついてくんな濡れるだろ!つかおじさん言うな!まだおにーさんだ!」
「あ、ゴメン」
なんだか面倒なことに巻き込まれた気がするのは、気のせいじゃない…と思う。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 17