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衝撃的な事実
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「…あのさ。兄ちゃんのツタヤのカード借りてきたから、お前が借りて来て。」
「嫌に決まってんだろーが調子のんなよ雑魚」
「だぁれが雑魚だよ!ほら、罰ゲームのふりして携帯のムービー構えながら一緒にレジまで着いてってやっから、だから借りてきて。俺じゃどう見ても18には見えねーだろ」
「バカじゃねぇの…俺だってみえねーと思うんだけど」
「は?見えるよ。だってお前かっこい…なんでもねぇ。とにかく、借りる役目はお前、選ぶ役目は俺。これで平等だろ!」
「………ハァ。仕方ねぇ。まともなん頼むわ」
「………ゲイビにまともなんとかあんの…?つーか一緒について来てよ、一人で入んのは気が引けんだけど。」
「クソワガママ。ほらさっさと入れグズグズすんなブス!」
「あ?誰がブスだよ塗り壁みたいな図体しやがってこのクソチンゲが!…っうわ。ぐろ」
言い合いをしながらも黒い布で仕切られた先に入ると、どぎついAVがずらりと並んでいた。勿論ノーマル、男と女のモノが多い中、橋の方に少しだけ、ゲイビが置いてあった。しゃがみこんで吟味をはじめるハナクソ、こういうときは肝が座ってんなと思う。しゃがんだせいでマロン色のダッフルコートが地面にすれている。きたねーぞ、オイ。って声をかけようとしたら、ハナクソが話しかけてきた。
「ぶっちゃけ、ヤりかたさえわかりゃどれでもいいんだけどな…うえー、すげぇグロい。ちんこでか過ぎじゃね、この男優」
男優のちんこのでかさなんかどうでもいい。そんなことより、ちょっとまて。ちょっとまて、俺の見間違いか?
DVDの表紙にデカデカと『青年とファック』と書かれているそのゲイビ。今チラッと裏面が見えた。そのゲイビの表紙を飾っていた男の人が、なんか、あれ?女?いやそんなわけない、そんなわけない、よな?
「オイちょっとまてハナクソ、それ、それちんこ突っ込まれてね?」
「あん?んなわけねぇだろ、男と男だぜ?どこにも突っ込めるところなんて…は?」
ハナクソも裏表紙を見て目を丸くしている。モザイクはかかっている。モザイクはかかっている、けど、その表紙の男優はエロい顔をして、なんか、おそらくちんこを何処かに突っ込まれている。まてまてまて落ち着け俺!落ち着けハナクソ!すげぇ錯乱してきた。どういうことだ。男にそんな穴、あったっけか…?!
ハナクソはじいっと説明文を読んでいる。俺は大混乱の嵐で困ってる。するとハナクソが直ぐに意味を理解したらしい、「なぁ。」と、青い顔をして真相を告げてきた。
「……アナルって、ケツ…?」
サァッ、と血の気がひいた。
…ケツだ。アナルっていったらそりゃぁ、…間違いなく、ケツだ。ちょっとまて、なんでそんな質問をしてくるんだよ。え、うそだろ、いや、そんな馬鹿な。人類ってそんなに馬鹿じゃないはずだ。だってお前、ケツの穴っていったらあれだぞ。うんこ放つとこだぞ。え?嘘だろ、マジでいってんのか?
こくり、と一度だけ頷くと、ハナクソはますます顔を青くして、凄い苦笑いをしながら頷き返してきた。
「男同士って、なんか…ケツ、使うみてぇなんだけど…」
まってくれ、衝撃的な事実すぎてついていけない。俺はただ、ハナクソとキスとか、抱き合ったりとか、そういうことして、んで、あわよくばちょっと触りてぇなぐらいで、つーか男同士なんてそんぐらいしか…思いつかなかった、けど、え?
ちょっとほんとに待って。未知すぎて全然、これっぽっちも着いていけないんだけど…!!!
ケツ?!ケツって!!ケツって!!
知らなくてよかったことを知ってしまった気分だ。嘘だろ、おい、まじか。おい。
ハナクソが意を決した顔をして「これを借りてこい」なんてふざけたことを言いやがったので、勿論ハナクソも強制連行。ムービーを撮ってるふりをしてもらいながらレジへいくと、案外すんなりと借りられた。それより、そんなことより、俺たちは今、いまだかつてないほど放心している。
…帰ってさぁ。ほんとに、これ、みんの?二人で?
…男同士はケツ、ってなんだよ…、それ…。なぁ…。
どういうことなの…。
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