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※AV鑑賞とフラグ
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突然、ベッドの上で座っていた男が脱ぎ始める。これが女なら普通に興奮でもすっけど、同じ男なんだから特になにも思わない。銭湯の更衣室に居るとき、みたいな気分だ。
一枚一枚、ゆっくりと服を脱いだ男は、パンツだけ履いた姿で脚を拡げ、自分の乳首に手を伸ばす。俺とワカメはぎょっ、として、互いの顔を見合わせた。お互いが主張したいことは分かりきっている。乳首なんか触ったことねぇよ!
男でも乳首は触るもんなのか。知らなかった。いや、でも、あんなとこ触ってどうなるって言うんだ。ただの飾りなんだけど。
ワカメから顔を背けてテレビに視線を移すと、いつの間にかもう一人の男優がベッドの上に乗っていた。来た…と思ってテレビを凝視する。始まりはキスから、これはまぁ、そうだよな。お互いの体をまさぐりながら、唇に吸い付く。耳、首筋、乳首そしてヘソ、だんだんと降りていった男優が行き着いた先は、ち、…ちんこ。まずはパンツの上から舌を這わせた。散々パンツの上から股間を舐めまわした男優は、パンツを脱がせてちんこを取り出し、今度はちんこそのものを口に含んだ。ゲーッ、そんなのできねぇって、こいつのちんこ舐めんの?いやいや、むりむり、想像しただけで吐き気するんだけど。なのにテレビにうつる男優は、それはそれはうまそうな顔をして舐めてる。ちんこ、だぞ?ふざけんなって、無理!
モザイクのないAVだから、ちんこがモロだし。俺にも、このワカメにもついてるそれは見慣れたもので、他人のちんこなんか見たってえぐいだけ。………やっべぇな。こんなの見ようって誘ったのは俺だけど、すんげぇ気まずいし、なにしろ萎える。ちょっとぐらいは興奮とかすんのがなって思ったけど、全然真逆。
ちら、と目線だけをワカメのほうにやると、ワカメは真顔。抱きかかていたクッションに肘をついてじいっとテレビを見ているけど、ワカメの感情が読み取れない。
「……なぁワカメ、お前あんなのできんの」
テレビから聴こえる、エロい音。粘膜の音、唾液の音、ぴちゃぴちゃ。って、そこだけ聴いてりゃ特に普通のAVとは変わらない。目をつぶれば、だ。目を開けたらふたりともちんこついてるんだぞ。時折おり混ざる吐息が、完全に男のそれで。
男同士でもヤれる、けど。…けど。
ワカメは俺に視線をよこさない。テレビを見つめたまま、形のいい唇が開いた。
「できる。」
即答、かよ。意味わかってんのか、おい。フェラだぞ、フェラ。俺のちんこ舐めれんのかってきいて、即答でイエスは、狡いだろ。俺はグダグダ無理だのなんだの考えてたのに、なんでそんなあっさり受け入れられるんだ。なんでそんな俺のこと、…。ぎゅうと胸の奥が締まる。テレビからは吐息の音。俺は何にも言えずにそのまま俯いた。
なんで出来る?
ちんこだぞ?テメーにもついてるもんだぞ?それをしゃぶったり、触ったり、できるか普通?
でも、ワカメが俺にちんこ舐められて、あの男優みたいに気持ち良さそうな顔をするとしたら…?
なにそれ、ちょっとした優越感じゃん。優越感だけじゃんなことできねーけど。
『あんっ!ぁ…ふっ…んっ』
『気持ちいい?ナカどろどろ』
『あ゛、ぁ、っあ!は、ナカ、えぐんないで…ぇ!』
?!?!?!!!?!!!?!
俺が俯いてるあいだに何があった。バッと顔をあげると、画面に映るのは男の尻と、そこに指を突っ込んでる描写。大袈裟な程男優が身じろぎながら喘ぐ。お、女…みてぇ、な声。さすがに演技だろうけど、まて、まてまて、まじでケツ、使うんだ…?!
十センチ、十センチだ。俺とワカメの今の距離は。ワカメの顔を見れない。本番がはじまってしまったら、恥ずかしくて見れない。なんかすげー恥ずかしくなってきて頭かきむしりたい衝動に駆られる。手を口元にもってきてガジガジと爪を噛むと、ワカメのデカイ手が伸びてきた。
「それヤメロ、すげーウザい」
口元にあった俺の手を掬うように握って、そのままワカメのほうに引っ張られる。体制が斜めになるのは辛いからソファに座り直すと、俺の左の太ももが、ワカメの右の太ももとピッタリとくっついた。手は、握られたまま、だ。あつい。手のひらがあつい。ワカメの手が熱いのか、俺の手が熱いのか、わかんなくなってきた。ちょっとだけ、緊張する。…手ぇ、握られるだけで緊張すんのに、その先なんて想像できるわけがない。だって多分俺、死んじゃう。恥ずかしくて、死ぬ。
「おい、もう離せよ」
「離したら噛むだろーが。いいからこのままにしてろ」
「…ッチ、手汗気持ち悪りぃ」
「テメー手のひらの骨折るぞコラ」
「いだだだっ!っだから!離してっていったのに!!」
『あっ、あぁっ!あ、はっ…んんっ!』
『挿れるね?可愛く鳴けよ』
『う、うん、あっ!あん!あぁ?っ、あ、は…!」
「……………。」
「………………。」
「…………………なんか、いえば」
「…………そっちこそ。」
喧嘩を始めたら、どんなタイミングだよって時に突然本番がはじまった。ローションをケツに垂らし、ケツの穴を拡げている男優。指、三本。ケツの穴につっこまれて喘いでる男優。ケツを掘られる側の男優が、四つん這いになった。掘られるために、ケツを高くあげて、肘を折る。そんな男優の腰をつかんだもう一人が、勃起したちんこをパンツから取り出す。ぐろい、ぐろいって、おい。…おい。
音も無く、…というか、思ってたよりすげえ音はしない。切れねぇの、そんなとこにちんこ突っ込まれて。つーかゴムは、つけねーの。あ、AVだからか。そりゃケツに突っ込むんだからきたねーもんな、普通はゴムつけるんだよな、多分。
ちんこが、ケツの穴に入っていく。にゅるっ、と簡単に。それは多分ヤり慣れてるからで、そんなの普通できないって。ゆっくりと腰を進めるたびに、女みたいな声で喘ぐ男優。なあ、それも演技だろ?
男優の口からよだれがぼたぼたと垂れ落ちる。ちょっと、ちょっとまて、ケツ掘られて本当に感じてんの?嘘だろ…?
唖然としていると、ワカメがぼそっと「すげぇな」と言った。手は握られたままだけど、心なしかさっきより力が入ってる気がする。そして、そうだな、と肯定しようとした時、ワカメの口から飛び出たその言葉は
「…お前のこと、抱けるわ。俺」
「……は?!俺が抱かれんのか?!」
「あ?!お前俺のこと抱くつもりだったのかよ?!そんなチビでひょろいくせに?!」
「はぁあ???!俺標準だっつってんだろ!お前が!でけーの!ゴリラなの!わかる?!」
「だーかーら!てめぇはそんなゴリラのケツ掘りてぇのかってきいてんの!」
「だからなんで俺がケツ掘られる側って決まってんの?!ざっけんな絶対いやだ!」
テレビ画面の向こうでは、それはそれは熱くケツ掘って喘いでらっしゃったけど、俺とワカメはいまそれどころではない。うそだろ、俺、自分がケツ掘られる想像は微塵もしてなかった。こいつのケツが切れたら可哀想だな、とかんなこと考えてたけど、そうだった。俺たち、男同士じゃん。どっちも挿れたくて当たり前なんだよな…。
どうしよう、握られた手がますます熱くなっていく。身長差も体重差も、ある。手の大きさだってむかつくけど、俺の方がまぁちょっとだけ、ちいさい。視線をテレビに移すと、抱かれているのは背の低い男優。細い方の男優。冷や汗がだらり、と垂れる。
おい、まて、これはこいつでいうところのフラグか?
まさか俺が、こいつに抱かれんの…?!?!
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