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恋愛方程式に花マル?2
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昨日、なんかスゲーこと、しちゃったよなぁ。
こたつで肉じゃが貪ってたら、あいつの足が俺の…その、ちんこに、当たった。直ぐ足を離せばいいものを、こいつはソレがなんなのか気になってしまったようで。ごそごそとなんども、足の裏でソレがなんなのか確かめてきた。お前が気づいた時にはもう遅い、軽く勃ちそうになったっつーの、死ね。まあ、いい、そこまでは。「流石にごめん!」とか言って、ソレが何かわかった途端すぐに足を離してくれたから。問題はその後だ。このワカメ、ヤバイ。
後ろから抱きつかれることには慣れてない。ワカメの匂いがすげー分かるのが癪でしかたなかった。おんなじ洗剤使ってるはずなのに、なんでこうも、俺と違うんだよ。首の付け根、甘く噛んで、耳たぶ、ザラザラの舌で舐めとられて、好き勝手されんのがなんか無性にむかついて、あいつの肋目掛けて肘をドーン。
…。ごめん。ほんとは、それだけじゃない。顔が見たいなんて女々しいこと、言えるわけないじゃん。
後ろから抱きつかれんのは、まあ、悪くない。あいつの胸の音、聞こえるし。なんか安心するってのもあるっちゃある。ムカつくけど。でも、でもな、それでもさ、やっぱ顔、見たいじゃん。どんな顔して俺に触ってんのか、見たいじゃん。
ひっくり返ったワカメに乗っかって、主導権は俺にあると言わんばかりにワカメのカラダに触れた。すげぇ、純粋に、男として、尊敬する体つき。カッケェな、なんだよ、ムカつくわ、死ね。そんな気持ちよりもっと、俺の中でうるさく響いていたのは。
(全部、俺のモンにしたい。)
ゾッとした。なーにが、全部俺のモンにしたい、だよ。怖いよ俺。ドキドキが、緊張が、それを上回ってくれて本当によかった。あの体に唇を寄せて、変な痕とかつけるとこだった。まじ、自分の中にそんな感情があったことに絶望する。そこで俺は思ったわけだ。冒頭から言っている、「俺、どこから間違えた?」っていうフレーズを。
彼女が出来たことはある。キスもしたことのないような、そんなプラトニック全開の彼女。その時も幸せだった。だって隣に可愛い女の子がいて、にこにこ笑ってくれて、俺に好きっていってくれる。幸せ、幸せじゃん。だけど変な話、キスとかするタイミングもよく分かってなくて、結局「意気地なし」つって、振られるのがデフォ。特別凹んだりもしなかった、特別欲しいとも思わなかった。あれは恋愛じゃなかったのかな、じゃあ、なんだったのかな。
なんでワカメ相手になると、こうも余裕がないんだろう、俺は。なんでワカメを好きだと思いはじめると、名前も呼べないぐらい恥ずかしくなるんだろう、俺は。これが本当の恋ってやつですか、これがそうなんですか。やっぱり誰か教えてください。毎日毎日毎日毎日、一歩進む度にドキドキして、心臓が壊れそうになる。
義父さん、母さん、光平兄ちゃん、葵…俺、初めて、大人のキスをしました。
へったくそなソレ、口周りはどちらのかもわからない涎まみれで、舌が口の中に入ってくんのはなんかスゲーへんな感じで、背筋がゾクゾクして、もっと、って無意識に思っている自分に引いた。やっぱ欲しい、ワカメの全部が欲しいんだな、俺。スゲーやだ、気持ちわるっ、引く。やだやだ、いやだ!ほんと、どこから間違えた、どこからやり直せば、こんな気持ち悪い俺からおさらばできるんだよ!
唇が、舌が、忘れられなくて、思い出しただけでカラダが熱くなる。
……気持ち、よかった。呼吸もうまくできないぐらい、キスをした。なんか食われてる気分だった。それでもいいか、まあ今ぐらいは、なんて思ってたけど、唇を離して、お互いがっつり視線があって、そんでなんか、急に恥ずかしくなってきて、たまらなくて、たまらなくて、ほんとたまらなくて、バッとどちらともなく離れた。それから無言、なんかスゲーことしちゃったってことで、胸がいっぱいで苦しくて、耐えられなくて。「帰るわ」って言ったら「帰れば」って言われた。なんだそのあっさりした返事!って言ってやろうと思ったのに、その時のワカメの顔は真っ赤で、こたつに肘をついて口元を隠していても分かるぐらい赤くて、なんかもう、俺はこいつに殺されんじゃねぇかなって思った。そして平然を装って帰宅。あ、肉じゃが入れてた鍋持って帰んの忘れた。失敗した。でもなんかそんなことどーでもよくなってた。胸がいっぱいすぎて、家に帰ってもしばらくベッドの上でゴロゴロとしていた。思い出すだけでも恥ずかしい。死にそう。……あのまま、目が合わなかったら。どこまでいってたんだろう。そう思うと、このワカメといつも通りに!なんて、出来るわけないじゃん。
ワカメが相手だからこんなにドキドキするってんなら、やっぱ俺、間違ってる。ハマりすぎて、もしいつか、終わりなんかが来たら。俺…そん時は絶対泣くんだろうな。そんときは誰に慰めて貰おう?古賀?は、ダメだな。うん、分かってますよ、俺だって。古賀の俺を見る視線に熱が込められてることぐらい。俺が男に惚れてから、そういうのも分かるようになった。どうにも俺は男にもそこそこモテるらしい。そーいう意味で。古賀の気持ち、なんてさ。…ワカメがそれに気付く前より、ずっと前から知ってたっつーの。それなのに、あのワカメ、俺のこと鈍感なバカだと思ってる。鈍感なバカはお前だよ。この関係の終わりにビビってんのか、こんな見え見えのとこに歯型なんかつけやがって。昨日ので二つ目、ヘタにガーゼや絆創膏をつけてる方が怪しいから、ワカメと喧嘩して噛まれたって言ったほうがずっと笑って流してもらえる。女々しい奴め、一丁前に独占欲ですか、そーですか。俺、それ、結構嬉しいんだけど なんて言ってやんないよ、絶対。そ、と首の横に残る歯型を指でなぞる。変な気持ちになってきた、あークッソ!これだからイヤだったんだよ、恥ずかしいんだよ!やっぱ死ねワカメ、…バーカ。
まだ名前も呼べてない。まだ手も繋いでない。それなのにその先のこと、ずっと考えてるなんて。俺、もしかしてすげースケベかも。
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