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前日2 誠凛高校の場合
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SIDE火神
「ーってことで明日の予選のために今日は早めに切り上げます。居残りなんかしないよう、今日はゆっくり休んで!」
監督はそう言うと、足早にその場を去った。
おそらく明日の対戦相手の記録を見直して、作戦を練るのだろう。
明日の対戦相手って確か、
「キャプテン、霧崎第一高校ってどんな高校なんだ、ですか?」
「え、あー、お前そーいや帰国子女だったな。説明すんの忘れてたわ。」
そんなにしれ渡るほどの強い高校なんだろうか。
キャプテンは一息ついてこう言った。
「霧崎第一高校は簡単に言えば、ラフプレーをするところだ。木吉の膝も霧崎第一に壊された。」
は?ラフプレー??
「中学バスケ界で最強と言われた〝キセキの世代〟の1つ上の代の選手達でその世代の中で最強だった5人が〝無冠の五将〟と呼ばれているんだ。
木吉も霧崎第一のキャプテンも無冠の五将の1人だ。
実力がありながらキセキの世代の影にうもれてしまった。〝無冠〟って呼ばれているんだ。」
「え、でも何でその花宮は木吉先輩の膝を…?同じ無冠の五将なのに」
キャプテンは去年のことを思い出したのか、
眉を潜め忌々しげに言った。
「花宮は実力はあるんだが何故かラフプレーで選手を潰しにかかるんだ。
〝イイコチャンが嫌い〟らしい。
特に木吉みたいなタイプは特にな。
…でも今、花宮真はラフプレーをしていないんだ。」
「どうゆうことですか?」
全くと言っていいほど理解出来ない。
「言った通り、今年から花宮真はラフプレーをしていないんだ。
前までは花宮の合図でラフプレーをして来ていたんだがな…。
あ、お前、黄瀬涼太知ってるよな?」
黄瀬涼太って、
「キセキの世代の1人っすよね。でも、事故で大怪我してもうバスケも芸能活動も出来ねぇってテレビで…」
「あれは事故じゃなくて、バスケのラフプレーで大怪我したんじゃねぇって噂なんだ。」
は?あの大怪我を?一体誰が……
…もしかして
「霧崎っすか」
キャプテンは頷いた。
「でも、今年からラフプレーはしていないってさっき……」
「これは噂なんだがな、
花宮が合図しなくてもコート内ではラフプレーが行われているんだ。
しかも試合には選手が4人しか見えないらしい。
まるで、見えない〝何か〟がラフプレーをして選手を痛めつけているようにしか見えないって噂だ」
一通り話し終えたのか、キャプテン深いため息をついた。
「まぁ、なんだ。とにかく明日だ。
お前も怪我だけは絶対にすんなよ。
挑発にものるな。
いつも通りにすれば良いんだよ。」
そしてキャプテンは俺の髪をぐしゃぐしゃっと撫で回した。
遠くなって行くキャプテンの姿を見て、やっぱりキャプテンってすげぇなって思った。
それに、木吉先輩の膝を壊した事も許せねえ絶対にだ。
そんな卑怯な事ばっかりする奴らなんかに潰されてたまるか。
とにかく木吉先輩の膝は守らねぇと。
これ以上壊されたら本当にダメになっちまう。
とにかく明日だ。
コンディションを最高にして試合に臨もう。
勝つのは俺らだ。
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