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試合前。
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SIDE花宮
「久しぶりだな、花宮。」
木吉に話しかけられたのは、黒子と控え室に向かっている途中のことだった。
木吉の後ろには誠凛高校の奴らがぞろりと並んでいた。
俺を見るなり全員が顔をしかめる。
メガネ君に至っては人を殺しそうな勢いの眼光を浮かべていた。
仲間ゴッコかよ、イイコチャン共。
「…やぁ木吉。会えて死ぬほど嬉しいよ。」
愛想笑いを浮かべてそう言うと、メガネ君が食いかかってきた。
何か言っていたがよく聞いてなかった。
隣を見ると黒子が不服そうな顔をしている。
多分、誠凛の奴らが黒子に気がついていないからだろう。
「あれ、花宮。その子は…?」
あ、木吉が気付いた。
何気に目ざといよな、コイツ。
「どうも始めまして、霧崎第一高校の黒子テツヤです。
…今日はよろしくお願いしますね。」
冷ややかな眼でそう言うと口角を上げ、誠凛に微笑んだ。
その笑みは背筋がゾクリとするような笑みだった。
「、君は帝光中だった黒子くんだよな。
帝光のレギュラーだった君がどうしてこんなところに…?」
〝レギュラー〟と聞いてザワザワする誠凛の奴ら。
黒子がレギュラーに見えないのだろう。
〝嘘だろ?〟と言う言葉が飛び交った。
ちらりと黒子を見ると、完全に据わった眼をしている。
黒子は極端に〝帝光中学〟を嫌う。
おそらくキセキの奴らたちを思い出すからだろう。
黒子のこの表情は完全にキレている。
あーあ、誠凛のみなさん御愁傷様。
…なんて微塵たりとも思わねぇけどなw
自業自得だろうがばぁーか。
「…帝光なんて言う言葉、口に出さないで下さいよ。すごく不快です。
それに僕は今は
〝霧崎第一高校バスケットボール部 黒子テツヤ〟です。
過去のことなんか今、持ち出してこないで下さい。」
黒子は早口でまくし立てると敵意むき出しの眼を誠凛に向けた。
黒子の過去を知らない木吉や誠凛たちは驚いたような顔をしていた。
まぁ黒子は見た感じは文学少年っぽいからな。ギャップが凄いんだろうな。
「…ま、とりあえずお手柔らかに頼みますよ、誠凛サン?」
俺は黒子を引き連れてチームメイトの居る控え室に戻った。
威勢が良いヤツほど潰しがいがあるってもんだろ?
あの顔をどんな風に歪めて壊れていくんだろうな。楽しみだ。
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